- 2023年1月29日
- 2023年1月29日
東芝労働組合小向支部・東芝事件 最高裁平成19年2月2日第二小法廷判決(脱退の自由)
本判決の意義は、組合員には脱退の自由が認められるため、組合からの脱退の自由を制限する合意は公序良俗に反し無効であると判断した点にあります。本判決は、組合員に脱退の自由を認めることにより、実質的に組合選択の自由を保障したものと考えられます。
本判決の意義は、組合員には脱退の自由が認められるため、組合からの脱退の自由を制限する合意は公序良俗に反し無効であると判断した点にあります。本判決は、組合員に脱退の自由を認めることにより、実質的に組合選択の自由を保障したものと考えられます。
本判決の意義は、伊藤正巳裁判官の補足意見において、就業時間中の組合活動であったとしても、職務の性質、内容、組合活動の態様などから労働者の職務専念義務と両立し得るといえる場合には、正当な組合活動にあたる可能性があると判断した点にあります。
本判決の意義は、正当な組合活動に対して不利益取扱いを行うことは不当労働行為にあたると判断、確認した点にあります。特定の傾向を有することを理由に差別的取扱いを行うことは、労組法7条3号の不当労働行為たる支配介入にあたると判断しています。
本判決の意義は、人事考課について組合員以外の者との間で差別的取扱いがされていると主張する場合に不利益取扱いを受けた側に自己の把握し得る限りで組合員以外の者と能力や勤務実績等において劣らないことを立証すれば足りる、と立証責任を緩和した点にあります。
本判例の意義は、使用者に採用の自由について広い裁量を認め、労組法7条1号は雇入れ段階での黄犬契約(労働組合に加入しないこと等を条件に結ぶ雇用契約のこと)のみを禁止しており、雇入れ段階での不利益取扱いを禁止していないと判断した点にあります。
本判例では、労働組合の団体交渉権の実効性を担保するために、使用者に誠実交渉義務を認めました。具体的には、組合の要求・主張に対する回答やその根拠、反対する場合にはその根拠を示すなど努力義務があると判示しました。
本判決は、特定の労働組合に対して、組合弱体化や嫌悪の意図の動機をもって団体交渉を行うことは、同組合への差別的取扱いに当たり、不利益取扱い(労組法7条1号)及び支配介入(労組法7条3号)の不当労働行為に重畳的に該当すると判断しました。
本判決まで、一般的に、不当労働行として行われた無効な解雇処分に対する救済手段として、原職処分と全額バックペイを命じていましたが、本判決は、無効な解雇期間中の中間収入を一切控除しない命令は裁量権の範囲を逸脱したものだと判断しました。
本判決の意義は、組合員からの支払委任がないにも関わらず、労働委員会が裁量により、使用者から労働組合へ賃金から控除した組合費を当該組合へ支払うことは、救済命令として裁量を逸脱したものであると判断したことにあります。
本判例は、労働組合には救済を受けるべき固有の利益があるため、当該労働者が権利利益の回復を積極的に放棄するような事情のない限り、(当該組合員が)労働組合員資格を喪失しても、上記救済を受ける利益は消失しない、と判断しました。