パラリーガル見聞録

知れば不安もきっと小さくなる。

役に立つ法律知識をもっと身近に感じて欲しい。

  • 2023年4月1日

新日本製鐵(日鐵運輸第2)事件 最高裁平成15年4月18日第二小法廷判決(出向の適法性) 

本判決の意義は、使用者に出向命令権が認められる場合にも、①業務上の必要性、②出向対象者の人選の合理性、③労働者の受ける不利益の程度、④出向命令発出までの手続の相当性の4点を基準として権利濫用の該当性を判断した点にあります。

  • 2023年3月20日

東京日新学園事件 東京高裁平成17年7月13日判決(事業譲渡と雇用承継) 

本判決の意義は、事業譲渡契約は、債権行為であり、譲渡会社の労働者の雇用関係を譲受会社が当然に承継するということはできない、と判断した点にあります。一方で、事業譲渡契約に伴う雇用関係が承継される例外的な場面についても判示されている点が特徴です。本裁判例より、事業譲渡契約に伴う雇用関係の変容についてご確認下さい。

  • 2023年3月18日
  • 2023年3月23日

第一交通産業事件 大阪高裁平成19年10月26日判決(偽装解散) 

本判決の意義は、親会社が、事実上、完全子会社の労働組合員を排斥するという違法な目的を隠して行う当該完全子会社の解散は偽装解散にあたるので、これは親会社の法人格の濫用であり、親会社に対して、解散させられた子会社に勤めていた労働者たちは、雇用契約上の責任を追及できると判断した点にあります。

  • 2023年3月17日
  • 2023年3月23日

遺族を救え

本稿では残された遺族に特定の要件を満たせば支給される貴重な生活資金となる遺族基礎年金の支給要件にフォーカスして紹介します。国民年金に加入していた配偶者が亡くなったから、直ちに支給という訳にはいきません。どうやったら遺族基礎年金が支給されるのか、この点について少し詳しく解説していきたいと思います。

  • 2023年3月16日
  • 2023年3月16日

経過的加算額とは何か

今回は、厚生年金保険法で登場する「経過的加算額」についてご紹介致します。この「経過的加算額」という言葉も、普段の生活では聞かない言葉ですが、一定の年齢の方たちの年金額に関わる重要な年金への加算額となるものです。マニアックな知識ではありますが、一部の方たちには、役に立つかもしれませんので、その概要などを解説していきます。

  • 2023年3月15日
  • 2023年3月15日

日本アイ・ビー・エム事件 最高裁平成22年7月12日第二小法廷判決(会社分割と労働関係) 

本判決の意義は、会社分割にあたり、前提として承継される労働者の保護のため、当該労働者と協議を行うことが必要であり、これがない場合には、当該労働者は承継会社への労働関係の承継に対して異議申し立てを行うことができること、また、承継される労働者の代表者との協議や説明がないことにより上記5条協議の趣旨を没却するといえる場合には、5条協議を欠いたものと同視できると判断した点にあります。

  • 2023年3月14日
  • 2023年3月14日

大隈鐵工所事件 最高裁昭和62年9月18日第三小法廷判決(退職の意思表示)

Xの退職願を合意解約と解し、合意解約は使用者の承諾があるまでは撤回ができると解されるところ、本件では、人事に関する最終決裁権者が退職願を受理した時点で承諾があったものといえ、合意解約を有効と判断しました。本判決の意義は、退職願の撤回が有効と認められる判断時点を明確にした点にあります。

  • 2023年3月8日
  • 2023年3月9日

振替加算とは何か

みなさんは「振替加算」という言葉をご存知でしょうか?この言葉について詳しいのは、国民年金法や厚生年金法に詳しい社会保険労務士くらいのものかもしれません。ですが、振替加算は、ある特定の年代の夫婦にとって、老後、受給できる年金額が増額する重要な制度です。本稿では、この振替加算の制度の概要について解説しています。

  • 2023年3月7日

国民年金基金とは何か

みなさんは、国民年金基金という言葉を聞いたことがあるでしょうか?多くの会社勤めの皆さんは、厚生年金保険に加入しているため、余り縁がない言葉かもしれません。国民年金基金は、会社勤めのサラリーマンやOLのみなさんにとっては、縁のない言葉でも、個人事業主など国民年金の第1号被保険者にとっては、将来受け取る年金額に重要な影響を与える知っておきたい制度です。本稿では、この国民年金基金の概要についてご紹介致します。

  • 2023年3月6日
  • 2023年3月7日

高額介護合算療養費の概要と解説

みなさんは、高額介護合算療養費という言葉をご存知でしょうか?高額療養費という言葉は聞いたことがあっても、高額合算療養費という言葉を知っている、又は理解している人は少ないかもしれません。本稿では、健康保険法上規定されているこの高額合算療養費について、その概要を紹介しています。